全情連では、入金予定日より3か月の間に、極端な話、1円でも入金があれば、その入金日(1円を入金した日)からさらに3か月間、という期間の捉え方を取っている。これは、相反する解釈の仕方ができる。全情連では、すこしでも返済している利用者は「払う意思がある」と捉えている。信用供与業態において、延滞が付くというのは相当な状況であると考えられ、そして、延滞が付いてしまったがゆえに不利益を被るのは、他でもない利用者自身だ。まず、これは重要なポイントとして抑えておかなければならない。一方では、べつの見解もある。冒頭の解釈が、引いては多重債務の早期発見を遅らせているという捉え方である。これは、「3か月間以内において、1円しか支払っていない方(もしくは、1円しか支払うことができていない方)は相当な状況に陥っているはず。よって、延滞として取り扱っても…」という論理が前面に出ている。これを前提にして考えれば、深刻な状況に陥っていると考えられる人を結果少なからず黙認している、と捉えることもできる。あくまでも解釈の違いにすぎないが、これも一理ある見方だ。
変動相場制と国際資本移動が自由な制度の下では、公共投資のような財政支出が増加すると、金利が上昇して円高・ドル安になり、中期的に経常収支黒字が縮小するという相殺要因が働いて、公共投資乗数は大きく低下することを述べた。それでは、ブレトンウッズ体制下のような固定相場制で、多くの国が国際間の資本移動を規制していた時代には、相殺要因は働かなかったのであろうか。五〇年代から六〇年代にかけての日本では、景気が後退して、国民総生産の伸びが低下するときには、輸出の伸びよりも輸入の伸びが大きく鈍化して、経常収支の赤字は縮小する傾向があった。この景気後退の局面で、政府か公共投資を増やすと、公共投資乗数効果が働いて国民総生産が増大し始める。この過程で、金融政策に大きな変化がなければ長期金利は上昇する。しかし五〇年代から六〇年代にかけては、長期金利が上昇しても、外国の居住者が日本の債券を購入したりすることには制約が課せられていたため、国際間の大きな資本移動が生じて円高・ドル安になることはなかった。
サブプライムローンの債権は、まず住宅金融会社などによって、いくつかのローンの債権をまとめた「RMBS(居住用住宅担保証券=住宅ローン担保証券)」という証券にされた。住宅ローンの債権を商品にしているだけだから、ここまでは債権の購入者にもリスクが理解できる。ところが、RMBSは、通常の社債や企業資産を証券化したABS(資産担保証券)などと組み合わされ、「CDO(債務担保証券=ローン担保証券)」という新たな商品になっていく。このCDOは、さらにいくつかのCDOと組み合わされ、別の金融商品として売り出された。このように何度も混ぜ合わされた結果、ついにはどのCDOにサブプライムローンの債権が組みこまれているのか、表面的にはまったくわからなくなった。これを、粗悪な肉が混ざったミンチや、何が入っているかわからない福袋にたとえる識者もいる。
Copyright (C) WWW.MHXY.ORG. All Rights Reserved.